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思いをつなぎたい。制作担当が語るCandle Stageの魅力


▲左:Candle Stage制作 清水隆太(りゅうちゃん)

 

頂のメインイベントであるキャンドルタイム。出演するアーティストの世界観と頂の空間が融合する、その年にしか味わうことのできない唯一無二のステージです。

ただ美しい景色を味わうだけでない、自然、時間、人、音楽、さまざまなものを会場が一つになって共有する体験は、ここでしか味わえないものだと思います。

今回はそんなCandle Stageの制作を担当する清水隆太さんにお話を聞きました。

最初はボランティアスタッフとして頂との関係がスタートした清水さん。これまでのステージ制作や中止となった2年間、そして今年のキャンドルタイムについてお話しいただきました。

 

ボランティアから制作担当へ

頂に関わり始めたのはいつからですか?

2015年4月15日(水) 8:43です。

(笑)?!それはどういうことですか?

自分は元々バンドをやっていたんですけど、次第に“ステージを作る側”になりたいと思うようになったんです。そんな時に出会ったのがプロデューサーの小野さんとスタッフのガクさんの動画でした。
動画なのに、伝わる熱量と本気の想いが自分の中の何かに火をつけてくれて、この人達と一緒にやったら得られるものがあるんじゃないかなと思って、スタッフに応募しようと思ったんです。
でも、普通のボランティアスタッフではなく、もっと近くで小野さんやガクさんの想いを感じたいと思っていたので、その想いを伝えるために直接メールを送ったのがその日時でした。

なるほど。では、その思いが届いて、その年から参加されたんですか?

そうですね。最初の年はボランティアスタッフとしてグリーンキャンプを担当しました。その時はステージから全然遠いところで、キャンドルステージもちらっとしか見れてないんですけど、撤収の日に一緒に入っていたテルさんという方から、なんで自分が頂に関わってるのか、どういう人が頂を支えてるか、いろんなことを教えてもらって、また来年も頂に関わりたいなって思ったんです。

では、Candle Stageに関わるようになったのは?

その次の年(2016年)です。これはすごく偶然なんですけど、FUDEさんという当時制作を担当されていた方が足を痛めて自由に動けなかったので、「隆ちゃん、FUDEさんのアシスタントでCandle Stageに入ってみない?」って小野さんに言われて。それはきっと僕のもっとステージの近くで働きたいって思いを汲んでくれてのことだったと思うんですけどね。

思わぬタイミングでしたね。実際ステージ制作に入ってみてどうでしたか?

普段あまり接することがないヤーマンな人たちがいっぱいいて、正直最初はどうなるのかなと不安なところもありました(笑)。でも、今自分が勝手に相方だと思ってる舞台監督の小山さんと出会ったのもこの時で、彼があれこれ仕事を振ってくれたので、こんな感じで動くんだって次第にわかっていきました。また、FUDEさんは広報周りも担当していて、その辺も忙しい時は少しお手伝いさせてもらったりしたので、前年のグリーンキャンプの雰囲気とは全然違う、一気にステージ裏に入った感じがした年ですね。

この翌年(2017年)も制作アシスタントとして入って、さらにその次の年(2018年)には遂に制作を担当することになったんです。Candle Stageはいろんな人が関わって出来ているステージなので、毎年たくさん影響を受けたし、いつの間にかそんなCandle Stageのみんなと創り上げるステージが1年で1番楽しみな時間になっていました。

 

よりに近づいた2年

それほど大事な時間だった頂が中止となった2年、どう過ごしていましたか?

2020年は、前々から開催は厳しいかもって連絡を小野さんからいただいていたんです。頂は子供も多いし、中止はごくごく自然な判断だと思いました。

ただ、頂はなくなったけど、何か頂のことを発信したいっていうことでCandle Stageの演出を担当してくれてるべんさん伊藤さん、Moon StageのPAエンジニアである市村さんの記事を出すことになったので、僕がべんさんと伊藤さんの記事編集を担当させてもらったんです。二人と電話でいろんなことを話して、それぞれの思いを確認しながら、自分の思いをのせました。だから、その年も頂とつながっていたような感覚なんですよね。

それにこの仕事を任せてもらうことで、小野さんはじめスタッフのみんなとより近くなれるきっかけをもらえた感じがして、離れるっていうより自分と頂の距離としてはむしろ近づいた感じでした。

小野さんって、本当によく連絡をくれるんですよ。2021年の開催を検討している時も「まだ厳しいかもと思ってるんだけど、りゅうちゃんどう思う?」「東京のみんなはどんな感じ?」って聞いてくれたり、小野さんの気持ちを共有してくれていて。そうやってずっとやりとりが続いているから、頂がなくなったって感じがしなかったんですよね。次やるならどういう風がいいか、どんなことをしようかって話したりして、自分達の気持ちを温め、整えていました。

では久々の開催となる今年、どんな思いですか?

頂ってこれまでも人と人との繋がりで進んでいるから、離れている間のみんなの気持ちを置いてかないことを一番大事にしていければなって思うし、今年開催する意味をどう伝えたらいいかなって思っています。

僕たちは今年の開催まで、悩んでいることや迷ってますってことをずっと発信してきたんです。それって触れなくてもいいところなんですけど、ちゃんと触れるところが頂っぽいなって思っていて。開催されなくて寂しい、待ち遠しいって思ってくれている人に寄り添うように、その人たちの気持ちを置いていかないように、「僕たちもいろいろあったよ。みんなはどう?」って対話をしてるような感覚でした。「自分たちが今できることを一生懸命やるから、またあの芝生の上で会おうね」っていうメッセージというか…。

確かに、“公式の発表”というよりは“お手紙”みたいな感じでしたもんね。Candle Stageに関してはいかがでしょう?

またステージの前にキャンドル持って戻ってきてくれたみんなが、“これが頂だ!”って思えるような空間を作りたいし、初めての人にはキャンドルタイムは頂が一番大事にしているイベントの一つだって伝わるような空間にしたいです。

そのためにも、その世界観を作ってくれる演出担当のべんさん、伊藤さんが温めている想いがあるので、まずはその二人とちゃんと向き合いたい。そして、それをお客さんに伝わるように増幅させること。僕はそうやって思いをつなぐ、紡ぐっていうのを一番大事にしてるのかもしれないですね。

繋がりを感じて欲しい

Candle Stageの魅力ってどんなところでしょう?

最初と最後で表情が全く違うんですよね。夕暮れからスタートして、だんだん暗くなっていくから1曲の中で見せる表情もガラッと変わるし、演奏も素晴らしいアーティストばかりなので、いつもと違う世界にグッと引き込まれる。そして、演奏が終わった頃には光が綺麗に映った夜の景色になっている。

あの時間帯とキャンドルの演出があるから初めて成り立つもので、他のステージじゃ絶対出来ないことだと思うんです。同じ場所にいるのに、最初と最後で違う場所にいるように感じられる、特別な体験だと思います。

今年の1日目のCandle Stageはいつもより開始時間が遅めですよね?ということは暗い状態からのスタートということですか?

そうなんです。これは今年だけのスペシャルバージョンになるかもしれません!元々キャンドルチームには、“暗い時間から始めてみたらどうなるんだろう?”っていう思いはあったんです。でも、さっき話したように最初と最後で表情が違うこともこのステージの魅力だし、ステージ転換的にも難しくてなかなかこれまで実現はできなくて。

しかし、今年は1ステージ制になった関係でスケジュールも今まで通りではなくなったし、このタイミングで挑戦してみよう!ってことになったんです。僕たちもどんな雰囲気になるのかわからないので、この挑戦を一緒に楽しんでもらえたらなって思います。

でも2日目はいつも通りの時間ですよね?

はい。2日目はいつもの時間にスタートするので、今年は2日間で違う表情のCandle Stageが楽しめるということです。やっぱりあの世界が移り変わる時間も体験してほしいですからね。

特に今年は2日目のCandle Stageに出演する奥田民生さんを発表した時、今までのことを知らなかった人にも届いた感じがしたんです。それをきっかけに来てくれる人も多いと思うので、その人たちもキャンドルの輪に加わってもらって、繋がってることを感じられるような時間にしたいです。

そもそも頂のスタートは“日本平をキャンドルで埋め尽くしたらすごいことになるぞ!”って妄想から始まっているから、原点はこの時間にあると思うので。

個人的には、前に演出担当の伊藤さんが話していた「ロウソクの光が放射線状に広がる魔法の輪」っていう表現がとても好きで、微力ながら今年も数センチでも遠くまで輪を広げていければなと思っています。

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