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Moon Stageの「音職人」”PA” 市村さんの音作り

【※こちらは頂開催中止となった2020年に取材したインタビューを再掲載した記事です】


 

頂のキャンパーのみが体験できる「Moon Stage」。
友人や家族と語らいながら聞くもよし、旋律を子守歌代わりに眠りに落ちるもよし。
1日の疲れを癒す、極上のチルアウトステージです。残念ながら今年は開催中止となりましたが、これまでのムーンステージ出演アーティストのプレイリストをSpotifyで公開することを決め、Moon Stageの音を作り上げる職人、PAエンジニアの市村さんにお話を聞きました。
市村さんの音作りにかける想いを読みながら、ぜひお家でこのプレイリストを楽しんでください。

 


Selected by MIYA (あさゐ)

 

頂を手掛けるようになったキッカケと経緯を、おしえてもらえますか?今年で何年目ですか?

最初に頂チームと出会ったのは、静岡市のバー「 BLUE NOTE1988」で行われた、poodlesのライブにPAで行った時です。静岡最高でした。ライブを見るだけではなく積極的に楽しむ人々の心地よい高揚感を思い出します。暖かい人たちが参加してくれるライブは、バンドもいい演奏ができるんですよね。

その後、静岡で頂チームが手掛ける様々なライブでPAを担当させて頂き、頂2010ではTrival stageに参加しました。まだキャンドルステージはティピだった頃で、「VarnaGhita /長沢哲夫」のライブでした。この時は、ライブに必要な電力の全てを太陽光発電の電力で行うチャレンジをしました。吉田公園に会場を移してから誕生したMoon stageは、一回目から担当しています。2011年からですから、今年は10年目です。

この記事を読んでくれている人にPAエンジニアという職業がわからない方もいると思うので、PAエンジニアってどんな仕事かおしえてください!

PAはPublic Addressの略で、直訳すると“大衆伝達”。マイクやミキサー、アンプ、スピーカーなどの機械を使って、音を電気信号にして増幅させて、多くの人に伝える仕事です。
ボーカル、ギター、ドラムなど複数ある音をまとめて皆に聴こえやすく届けるのが、音楽の現場でのPAですね。

PAをするにあたってMoon stageとメインステージとの違いとはどんなポイントでしょうか?

メインステージのバンドアンサンブルとは対照的に、moon stageは弾き語りやミニマムな構成なので、アーティストのよりパーソナルな部分が感じられるステージだと思います。

あとは、気温の差でも音は変わります。
昼間は暖かいから音が上に逃げやすいけど、夜は冷えて落ち着くんです。
その感じはしっとりとした音楽が多いmoon stageに凄くハマるんですよね。

頂のプロデューサーは、市村さんを全面的に信頼し「このステージの目的はお客さんを眠らせること」とオーダーしていると聞きました。 「眠らせる為のステージ」ってどんな音作りをされているのですか?

凛とした澄んだ空間で、アーティストの気配や所作を感じられる音を心がけてます。

「眠らせる為のステージ」という事でサウンドシステム、スピーカーにもこだわっていると聞きました。どのような特徴があるものを使用しているのですか?

Taguchi CMX1312というスピーカーを使用してます。
弱音再生に優れていて、繊細な気配を表現出来るスピーカーで、13cmのユニットがラインアレイ状に12個配列されています。

 


▲頂2018 デコレーション by Tomoyuki Sasaki

 

あーーー、この縦に長いスピーカーの事ですね!

遠くの人にも音が届くし、近くの人も音が大きすぎず聞こえるようになっています。さらに、去年は多面体cube型スピーカーをリアに設置してより空間的な音響システムになりました。

頂は2011年から多くのアーティストがMoon stageで演奏してくれました。特に印象に残っているステージ、アーティストがあれば教えてください。

全て本当に素晴らしいステージだったので、特に、というのは難しいです。
個人的なエピソードになってしまいますが、かつて鴨下荘というアパートで隣人だったことがある三宅洋平氏と、頂 Moon stageで再会出来た事が嬉しかったです。

たくさんのこだわりがあるMoon stageですが、ここに注目してほしい、というポイントはどこですか?

毎回変化するステージデコレーションが素敵で、私も楽しみにしてます!

最近のステージはお洒落で、頂の入場ゲート付近をデコレーションしているたいへいくんが担当したときはスペーシーで特に印象に残っています。

 

▲頂2017 デコレーション by Taiheichang

▲頂2019 デコレーション byその灯ぐらし(鈴岡賢志)

 

毎回、最高のシチュエーションです。ぜひデコレーションに注目してください。
一つのステージを創るために様々な人が協力しています。
ムーンステージに限らず、頂は皆様から集められたバイオディーゼルを燃料に駆動しています。
想いのあるエネルギーでクリーンな音が創られています。

市村さんがMoon Stageを担当していてドキドキした瞬間とかってあるんですか?

毎年前日に会場入りします。この時点でドキドキしてます。

残念ながら、新型コロナウイルスの影響で今年の頂は開催を中止しました。今年は、これまでのムーンステージ出演アーティストのプレイリストを公開し、お家で楽しんでもらおうと考えています。それぞれ、お家でどんなセッティングで聞いてもらいたいですか?

ぜひ、眠る前のひとときに。
明日も元気に、頂きます。

Written by

市村隼人

市村隼人

1976年9月21日生。辰年。B型。動物占い_オオカミ。 https://www.attkktj.com/

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