新型コロナウィルスが猛威を奮い、世界中が混乱しています。
皆様も大変な状況かとお察し致します。
今年の頂について、現在の状況を皆様にお伝えさせていただきます。
すでに発表させていただいたとおり、当初2月末から予定していた一部チケットの先行販売を、今日まで約3週間延期した状態が続いています。楽しみにしてくださっているファンの皆様には、ご心配をおかけしており、大変心苦しいです。
6月開催とはいえ、政府からの自粛要請も続き先が見通せない中、どう判断すればベストなのか、私たちも答えが出せていません。
少しずつウイルスの特性と対応策が見えてきた今、仮に開催するとしても、「来場者全員の消毒や体温検査は実施すべきだろうか」、「仮に感染した場合に重症化する危険性の高い高年齢の方へはチケット販売はすべきではないのでは」、「リユースカップは一度の使用までにすべきだろうか、、、」など、今までにない対策を考慮し、準備していかなければならないと考えています。
ライブの鑑賞方法にも規制をかける必要があるかもしれません。しかしながら、仮にコール&レスポンスを禁止した場合、そのライブに魅力や感動はあるのか。。。正直、これは腑に落ちないですし、正解のない中、どのような決断をすべきなのか、頭を抱えています。
正直に申し上げると、様々なシチュエーションを想定し、実施に向け最大限の努力と準備は進めておりますが、結果として今年の開催を中止するという苦渋の決断も、現時点では否定できません。
地元静岡から、「ローカルフェスでもここまでやれるんだ!」、と誇れるものを目指して13年。日本平でスタートした頂も、様々な苦難を乗り越え、やっとここまでの形になってきました。前身となる浜石まつりやライブハウスBOOM BOOM-BASHから数えて20年、静岡の地で音楽を生業に必死に頑張ってきました。
我々のような弱小インディーにとって、一年の全てを注いで準備してきたものを、自らの手でリセットすることは、あまりに酷な選択です。
私を含めた仲間の心は折れ、しかも経済的な損失も致命的になるでしょう。
ミュージシャン、音楽関係の仲間たちも、ここ一か月間、仕事が全く無くなった人も少なくありません。
この状態が続けば、仲間の生活は窮地に追い込まれることは明白で、エンターテイメント業界の職人たちが音楽の現場からいなくなってしまうのではないか、とすら感じます。
政府の自粛要請を真摯に受け止めたとして、その責任を負うのは主催者です。
責任を主催者に押し付けるだけの政府の要請は、あまりに無責任であり、とうてい納得できるものではありません。政府には、法整備を含め、明確な方針を早急に示して頂きたい。さもないと、私たちのみならず、この業界には大きな負債と不信感がトラウマのように残ることになるでしょう。
もちろん、国内外を問わず、私たち以上にギリギリの状態の方々も多くいることは理解しております。ただし、私たちのようなイベントで生計を立てている者にとっては、現在の状況は皆様の想像を上回るであろうレベルの危険な状態であることをご理解いただければと思います。
是非、みなさんにも聞きたいです。
私たちは経済的に破綻することを承知で、今年の開催を中止すべきなのか?
それとも細心の注意を払って開催すべきなのか?
もしくは、その他の選択肢があるのか?
コロナウイルスの特効薬が生まれた、など明るいニュースを期待するばかりです。
もちろん、今年の開催に向け最善は尽くしますが、頂クオリティーを創り上げるための準備を逆算すると、ジャッジまでの猶予はそれほど残されていません。
近日中に、あらためて今後についての発表をさせていただきます。
最後に、一点お詫びさせてください。
頂ではこれまで常にポジティブであり続けることを信条にしておりました。
普段のスタッフ間のメールや会話から始まり、ウェブサイトやフライヤーに記載する注意事項に至るまで、ネガティブな表現は可能な限り排除することで、ポジティブなバイブスにあふれたフェスにするべく、いつも忘れずに意識してきたことです。
今回の発表については、多少弱気な表現やネガティブな内容を含んでしまったことをお許しください。
それ以上に、音楽業界、イベント主催者の実情を皆様にも知っていただきたく、このような発表に至った次第です。
吉田公園で、みなさんと笑顔で再会できるよう、最善を尽くします!
みなさんも同じ気持ちでいていただけたら嬉しい限りです。
お互いに体調に気を付け、この困難を乗り越えましょう!
頂 プロデューサー
小野 晃義