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never young beach

never young beach

僕が初めてnever young beach(以下ネバヤン)のライブを見たのは、2016年6月5日、新代田FEVERというライブハウスでの事でした。いくつかのバンドが出演するイベントで、僕は他に目当てがあったので、後ろの方でおとなしく様子を見ているつもりでした。

2ndアルバム「fam fam」のリリースを目前に控え、勢いに乗るネバヤンの5人は、ステージの上で、音楽を鳴らすのが本当に楽しくて楽しくてしょうがないといった様子で、仲良く無邪気にはしゃぎながら演奏していて、お客さんも大盛り上がりで、そんなキラキラした最高の光景に一発で心を打たれてしまった僕は、気付けば最前列で汗だくで笑って踊っていました。

ネバヤンは、2014年に作詞・作曲を手がける安倍勇磨(vo.g)と松島皓(g)の2人の宅録ユニットとして活動を始め、数カ月後に5人編成のバンドとなり、2015年5月にインディーズデビュー。

細野晴臣も認める70’sジャパニーズロックな香りが漂う抜群の作曲センスと、昔からの仲の良い友達と話しているような気持ちになる親近感あふれるリリックと、5人のポップでキャッチーなキャラクターが相まって、デビュー直後からたちまち注目を浴び、フジロック、朝霧ジャム、タイコクラブなど、日本中のフェスに引っ張りだこ。2017年にメジャレーベルと契約し、現在までに3枚のアルバムをリリース。

と、これ以上なく順風満帆にバンドのストーリーを更新してきたかのように見えたネバヤンですが、2018年7月にオリジナルメンバーの松島皓の脱退が発表されました。とにかく仲の良さそうなバンドという印象があったので正直とても驚きました。詳しい事情はよくわからないので、適当な事は言えませんが、バンド史上最大の変化を迎えていることは確かだと思います。

そして4人体制となり、5月8日にリリースされるニューアルバム「STORY」から先行配信された4曲を聴いたところ、前作に比べてサウンドプロダクションが格段に向上していて、特に”うつらない”を聴いた時は、くぐもったスモーキーな音色のかっこよさにやられて、部屋で一人でにやついてしまいました。

成熟期に突入したネバヤンが、新しく奏でる音楽からは、若さや勢いだけではない、生き残っていくバンドの風格が漂い始めているように僕には感じられて、とても嬉しくなりました。

さて、バンド史上最大の変化に直面した、かつての無邪気な男の子たちは、2019年の頂のステージで、僕らにどんなパフォーマンスを見せてくれるんでしょうか。それでも、やっぱりネバヤンのことだから、みんなが自然と笑顔で踊ってしまう最高に楽しくて力強い音楽を聴かせてくれるんだろうなあって思って、今からワクワクしています。


雨に打たれ 風に吹かれ
荒野の上 くじけそうになっても
ドラマチックな 運命ってやつは
単純じゃなくて ひねりがあるのさ

よくあるような 話じゃ
ないだろう 僕らのストーリー
夢中になるんだ どこまでも

“STORY”

 

never young beach – あまり行かない喫茶店で @ WWW 5th Anniversary NEWWW DX

never young beach – うつらない (official video)

Written by

清水 新一郎

清水 新一郎

1986年生まれ/スノドカフェ七間町スタッフ @shimizu_shinichiro

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