ARTIST

THE BAWDIES

THE BAWDIES

 久しぶりに行ったキャンプ。朝早く家を出て、10時位にはキャンプ場へ。テントを立てて、タープにリビングを作って、火をおこして、肉を焼く。ビールもどんどん空けて、あぁ、お腹いっぱい。時計を見ると14時過ぎ。そこからしばらくやることがない。夕飯の仕込みには早いし、酔いもあって体を動かすのもめんどくさい。でも、太陽は高くて、風は気持ちよくて、まだまだビールも飲みたい。

 そんな時間にたまらなく聞きたくなったのが、THE BAWDIESの『kicks』だ。キャンプイスにグダりながら、最高に気持ちいい。これぐらいのユルッとした気持ちの良い曲が頂にはマッチすると思う。『LEMONADE』なんかもいい。頂での彼らの出番14:50。あぁ、ちょうどいい。そこだよ、そこ。

 もちろん、ガツッと踊れる曲もたくさんある。定番だけど『NO WAY』なんて、ビールをあおりながら、フロアの前方に突っ込んでいきたくなること間違いない。

 THE BAWDIESのことを初めて知ったのは、メジャーデビューするときだった。全くの偶然なのだけど、大学の先輩が彼らと同級生だったらしい。「同級生がメジャーデビューするんだ!かっこいいからぜひ聞いてね!」とfacebookのフィードに動画が流れてきた。

 はじめて聞いた時のワクワク感は、他のバンドには感じたことがないようなものだった。おそらく、父親はビートルズを聞きながら同じような気持ちになったんじゃないだろうか。僕たちはiPhoneで、父親はレコードで。世代を超えて、ロックンロールに恋い焦がれている。なんだから、父親と分かり合えた気がして、すごくうれしかった。

 彼らのライブアルバムを聞いていると、ライブからもMCからも、ロックンロールへの愛が伝わってくる。大衆音楽の中で、ロックンロールを本気で伝えていく。それは独りよがりじゃできないことだし、誰もができることじゃない。

 ロックンロールは前に向かったベクトルがある音楽だ。クラブミュージックは、フロアの音楽というか、高揚感と言われるように、上に登っていくイメージ。ロックンロールは前に、前にと進んでいくイメージ。世の中、いろいろある。なんだか、生きているのが虚しくなるようなこともある。でも、死ぬまで生きねばならないのが人間だ。辛くなったら、ロックンロールのチカラを借りて、THE BAWDIESのチカラを借りて、前に進むのだ。

 そんでもって、疲れたらダラっとキャンプする。友達とチルする。そんなときにもTHE BAWDIESの音楽が欲しくなる。

 人生を前にすすめるために、必要な音楽。それがTHE BAWDIESだ。


関連動画

THE BAWDIES – KICKS! MUSIC VIDEO_YouTube version

THE BAWDIES / NO WAY from 「Boys!」TOUR 2014-2015 -FINAL- at 日本武道館

Written by

葛原(アースガーデン)

葛原(アースガーデン)

アースガーデンで野外フェスの制作と広報、アースガーデンのオウンドメディアの編集長を担当。加えて、札幌で広告制作をしている「暮らしかた冒険家」のスタッフも兼務。フリーランス。横浜と札幌の2拠点居住。Nujabesが大好き。

一覧に戻る