2009年春、突然に犬式 a.k.a.Dogggystyleの解散が発表された。前年夏にバンドを代表する大作『意識の新大陸FLRESH』を発表、その年の11月には恵比寿リキッドルームでワンマンライブを行うなど、バンドが上昇気流に乗っていると思っていたときの解散だった。特にリキッドルームでの3時間に及んだライブでは、発せられる音にエモーションとパッションが加味され、犬式の持つ世界に引き込まれていたから、「なぜ、今解散なのか?」という疑問が頭に浮かんだことを鮮明に覚えている。
犬式はレゲエをベースにしていると言われる。けれど地下のクラブで響き、そこにいる人を踊りへと導いていった様々なサウンドを、ジャムという自由な展開のなかで飛翔させていた。それは他のどのバンドにもない唯一無二の世界観だった。三宅洋平、三根星太郎、石黒祥司、柿沼和成という4人の集合体である犬式。解散したことによって、それぞれが個に還っていった。個は自分の時間で進化や成熟を遂げ、そして2015年の残波ジャムで再び集った。残念ながらこのライブには行けなかったのだけど、その演奏はYOUTUBEに残されていて見ることができた。フェスという決められた時間のなかで、エネルギーがより凝縮され、犬式が音の塊になっているように感じられた。
どんな思いがあって、離れ、そして再結集したのかはわからない。三宅洋平から今年は犬式で音楽活動を続けていくという話を聞いたときには、やっとそのときが来たんだと感じた。たぶん時代が犬式の再始動を呼んだように思う。再結成ではなく再始動。あのピリピリとした緊張感のあるライブが、また味わえると考えただけでもゾクゾクしてしまう。犬式 (INUSHIKI)の新しい物語が2017年の頂 -ITADAKI-からはじまる。
関連動画
Life is Beatfull/犬式a.k.a.Dogggystyle
Dogggystyle / 犬式 / 手芽口土(てめくちつち) 【PV】