ITADAKI TIMES

頂を最大限楽しむためのウェブマガジン

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音楽を謳歌する場所

 いよいよ6月2日、3日に開催が迫ってきた「頂 –ITADAKI- 2018」。今年で11年目を迎える「頂」の、他のフェスと一線を画する“音楽を謳歌する場所”としてのさまざまな魅力については「ITADAKI TIMES」内の各コンテンツをくまなくチェックしてほしいと思う。ここではそのラインナップについて言及したい。しかし、その前に「頂」が過去に一度も雨に降られたことがないというのは、かなり驚異的だと思う。言うまでもなく、野外フェスとどうしたって人の力が及ばない天気の機嫌は切っても切り離せない関係性にあり、その年のフェスがどのような天候のもとに行われたかは、参加者の記憶に強く刻まれる。もちろん、荒天によって“伝説化”に拍車をかけたライブがあまた存在するのも野外フェスのマジックの一つであることは確かだ。しかし、やはり好天のなかでキャンプを張り、音楽を享受し、ご飯を頬張り、お酒を飲んで踊れるほうが絶対に心地いいに決まっている。ましてや「頂」のように家族で楽しむことを推進しているフェスにとって天気の機嫌を味方につけているのはポジティブな要因でしかない。未来の音楽文化を育む新しい世代に「頂」の体験が宝物ように育まれていくのなら、こんなに素敵なことはないだろう。そして、現時点での週間天気予報では今年も天候に恵まれそうだ。絶好のロケーションが期待できるなか、今年も「頂」らしい、自由なマインドと遊び心、比肩なき表現性を極めたアーティストたちがラインナップされている。タイムテーブルも絶妙だ。

 

 

 初日。トップバッターを飾るOKAMOTO’Sに始まり、GLIM SPANKY、Yogee New Wavesと、現行の日本のバンドシーンで独立した立ち位置を築き、それぞれの方法論とカルチャーへの愛をもって過去と現在と未来を繋げるロックを鳴らしている同世代の3組が続く。そこから今や日本語ラップの枠組みを超え、そのドープで陶酔感に満ちたフロウとビートが幅広いリスナーを魅了している5lackにバトンが渡される。LITTLE CREATURESと石野卓球というベテランの間にNulbarichがいるという構成によってクロスオーヴァーな様相がグッと強まり、さらに多様なジャズサウンドを追求しているSOIL“PIMP”SESSIONSへと橋渡しされる。CANDLE TIMEのEmi Meyerのスモーキーな色気に包まれた歌でクールダウンしたあとに待っているのは、今年最大の目玉と言っていいだろう、Chris Dave and the Drumhedzである。ディアンジェロ、ロバート・グラスパー、アデル、日本では宇多田ヒカルといった天才たちと共演し、コンテンポラリーなブラックミュージック及びポップミュージックの潮流を司っていると言っても過言ではないクリス・デイヴ。彼が総勢50名のアーティスト/ミュージックと共鳴、共振しながら作り上げ、今年1月にリリースしたソロデビューアルバムは世界中から称賛を浴びている。「頂」のコンセプトに前出した“クロスオーヴァー”があるとするならば、世界最高峰のクロスオーヴァーミュージックを、この日オーディエンスはまざまざと体感できるというわけだ。その後、世界中の音楽と交歓してきたUAが初日のクライマックスへと導き、MOON STAGEでの掘込泰行とharuka nakamuraの演奏によって忘れがたき情感とともに初日は幕を閉じるだろう。

 

 明けて、2日目。起き抜けのテンションをじっくり温めてくれる韻シストBANDから一気にトップギアを入れてくれる韻シストに始まり、藤原さくら、平井大、大橋トリオというオーガニックな音楽像で会場を彩るアーティストが続く。さらにclambonでピースフルなムードが充満し、GOMA & JRSが鳴らすディジュリドゥの響きとトライバルなビートによって神秘的な音楽空間が現出だろう。日本のポストロックシーンを牽引してきたtoeの気高く緻密なアンサンブルから2日目の「頂」は後半へと向かい、夕暮れ時に堪能できるペトロールズの独創的で粋なグルーヴとポップネスはたまらないに決まっている。2日目のCANDLE TIMEを務めるキセルは桃源郷のようなサウンドスケープを描いてくれるだろう。そして、今年も大トリのステージに立つのは「頂」の象徴である渋さ知らズオーケストラだ。もう細かいことをあれこれ言うのは無粋だろう。最高の“頂点”を迎える音楽体験がオーディエンスを待っている。さぁ、「頂 –ITADAKI- 2018」が間もなく始まる。

 

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ライター 三宅正一

ライター 三宅正一

1978年生まれ。法政大学卒業後、株式会社スイッチ・パブリッシング入社。カルチャー誌「SWITCH」の広告営業と編集を兼任。その後、カルチャー誌「EYESCREAM」の編集を経て、2004年に独立。フリーラ イターとしての活動を開始し、現在に至る。 現在は音楽を軸としたカルチャー全般に関するインタビュー及び執筆を担当。2017年12月、主宰レーベル・Q2 Recordsを始動。第1弾作品として踊Foot Worksの1st CD『Arukeba Gravity - ep』をリリースした。

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