STORY

2017/06/14

頂2017 あとがき

“頂”色の空に強い海風、笑顔や緊張気味のスタッフ、
今年もオープン前から会場は頂っぽく色付いていた
強い風には少々手を焼いたけど、
心強いスタッフや常連のお客さんの顔を見ると不思議と自信が湧いて来た。

 

 

10年の月日が流れ、当たり前に40歳だった自分が50歳になって迎えた今年。
恒例の強烈な日焼け、疲労しきった足は年々キツくなる。。。
今年もギリギリ生き残った、、、それが今の素直な気持ち。

 

 

仕込みの木曜日(6月1日)までは順調過ぎる程、順調だった。
しかし、本番前日に天候は一変し、強烈な風が会場全てを吹き飛ばさんとばかりに吹き狂った
キャンドルステージの天幕は破れ無残な姿に、、、
そのすぐ後、ムーンステージまで破れて飛んでしまった、、、。完全な想定外。
月曜からの仕込みが全て吹っ飛び、一年間かけて仕込んだモノは元には戻らない
バタつくスタッフ、呆然と立ち尽くす者もいた。

安全対策のためにと、土嚢を作れるだけ作り、風で飛ばされる可能性のある看板類は全て外した。
色々な決断を迫られ、僕は一人になって空を見上げ大きく深呼吸した。
「これがライブだ、全て受け入れよう」覚悟を決め開き直った!

破れたテントは既に仲間が工場まで手配してくれ、徹夜で縫い直すよう動いていた
明日も風は止みそうもないし風向きを考え、僕はムーンステージの向きを変えようと提案した。
「動くわけない、無理だよ。。。」
そんな雰囲気をよそに「すぐに男30人集めるんだ、全員でステージを持ち上げて動かすぞ!」

 

 

動いた 笑 
さあ頂が始まるぞ!やれる事を精一杯やろう!皆んなに笑顔が戻り再度、スイッチが入った。
結果、ムーンステージは予定通り極上のチルアウトになった。

 

 

今年のブッキングは、いかにオールジャンル、オールジェネレーションに届く“頂っぽさ”を出せるか意識した。
随分、色々なミュージシャンと無茶な話をさせてもらった。
「寝かせる感じで演奏して欲しい」とか、失礼な話だが真剣に提案した。「朝のメローな雰囲気で上げずに演奏して欲しい」とか。。。
高木正勝さんには「映像なしのキャンドルだけで出演して欲しい」とわがままを承知でお願いした。

犬式はどこかでメンバーと会う度に、彼らの気持ちを大切しながらも、強烈にケツを叩き、ウザがられるほどオファーを出し続けた。
昔からの仲間ダブセンにも誠意を持ってオファーを出し続け、やっと重い腰を上げさせた。
時には何年もかけて気持ちを届け、しつこく諦めずに丁寧にブッキングを進めていった。

まさかのグラスパーが奇跡的に決まったり、追い続けタイミングが合ったtoe、SDP、サニーデイetc…話し出したらキリがない 笑
渋さ知らズ、不破さんは今年はホストバンドとして誰とでもセッションするよ!そう言ってくれ、あの最後の展開が生まれた。
不破さんと酒を飲み頂談義をした事も僕の心に大きな火をつけた!
出演して頂いた全てのミュージシャンに思い入れを深く持ってオファーを出し、自信満々の頂っぽいラインナップが出来上がった。

 

 

盟友ミイダ君とグラビティーとは何度も打ち合わせして犬式、ダブセンの復活と頂10年をテーマに今までにない8メートル超えの巨大ライブペイントを企画しあのライオンと狼の絵が実現した。サンキュー!ブラザー!

 

 

キャンドルチームと意思を確認してから、当日会場入りしたアンサリーさんの楽屋を訪ね状況を説明し「風でキャンドルが全て消えても、照明は使わずに最後までやらせて欲しい」とお願いした。

彼女は「大丈夫ですよ、全部消えたら私が火を灯しキャンドル一つ持って歌いましょうか?」
向かい風の大変な環境の中、彼女の歌と人間力に本当に救われた。

 

 

振り返れば、この10年余裕なんて一切なかった
常に迷い、悩み、僕らの理想の「最高の音楽を最高のシュチエーションで」を目指して来た。
共鳴してくれる仲間は少しづつ増殖し多くの出会いと運に恵まれた事に感謝して止まない。

 

思うに、昔から意思が伝わる行き届いたパーティーは1000人〜1500人くらいまでが限度だと感じていた。
理想を志すオーガナイザーはリスクを背負い利益度外視でガムシャラに突き進み力尽きていく。。。
そんな地方のオーガナイザーの気持ちが痛いほどわかるからこそ、地方でも素人でも何とか工夫すれば出来る事を証明したかった。
僕に言わせりゃ業界の下らない常識はメリット以上にイベントを画一的にし、つまらなくしている感じがしてならない。
とってつけた様なコンセプトや利益をメインで考えるイベントには違和感を感じるし大いに逆を行ってやろうと考えた。
何も知らない僕らは独自路線を信じ凸凹ながら、少しだけ経験を積み、ただただ純粋に真っ直ぐやって来た、それだけは間違いない。

 

大きな目標であった10年を終え、今は色々な事を思い出し幸せな気持ちでいっぱいだ。
全国から多くの仲間が集まり、キャラの濃いマンパワーが集結しグルーヴする、それこそが頂っぽい雰囲気になる。
廃油は4000L集まって、エネルギーを自前で調達できた。これは本当に嬉しい!

 

未だ完成度は65点くらいかな、まだまだ出来る事はたくさんある。
ただ今は少し休んで、ゆっくり考えたい。
こんな未熟な僕らを暖かく見守ってくれ、協力してくれ、一緒に汗をかいてくれた皆さんに心から感謝します。
それこそが今の僕らに残った何物にも代えがたい宝物だ。
心より、ありがとうございました!

 

Music is Hope!!
頂 代表 小野晃義
2017年6月14日


 

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